将棋の世界を広げる普及指導員の役割と魅力

将棋に関する職業といえば、プロ棋士を思い浮かべる方が多いと思いますが、プロ棋士にならなくても、将棋に関わる仕事は意外にたくさんあります。その中でも今回は将棋普及指導員について紹介します。
将棋普及指導員は、日本将棋連盟公認の資格で、その名の通り将棋の普及に貢献したいという熱意のある方が向いている職業です。資格取得の要件は、三段(女性は二段)以上の免状取得者であることや、プロ棋士等からの推薦が必要であるなどいくつかあり、要件を満たした上で審査に通れば、将棋普及指導員の資格を手に入れることができます。
資格を取得すると、級位認定状及び三段までの免状を推薦することができたり、将棋連盟公認の教室を開設し、その情報を日本将棋連盟WEBサイトに掲載することができたりするなど、普及に役立つ特典があります。
資格取得後は、将棋教室を開設するだけでなく、地元の将棋大会や将棋イベントの企画スタッフをしている方が多いです。
残念ながら将棋普及指導員だけの収入で生計を立てることは厳しいのが現状ですが、定年後の趣味やボランティアとしてはやりがいはありますので、気になった方は将棋連盟のホームページをご確認いただければと思います。
将棋普及指導員としての活動は、ただ教室を運営するだけではありません。地域社会との連携を深め、子供たちや大人たちに将棋の楽しさを伝える重要な役割を担っています。
学校や地域の文化センターでの将棋教室の開催、地域の祭りやイベントでの将棋ブースの設置など、さまざまな形で将棋の魅力を広める活動を行っています。
また、将棋を通じたコミュニケーションの場を提供することで、地域の交流や子供たちの思考力の育成にも寄与しています。
将棋普及指導員は、将棋の技術だけでなく、指導法やコミュニケーション能力も要求されるため、継続的な学びが必要です。
指導員として成長する過程で、自身の指導技術を磨くことはもちろん、将棋の楽しさや深さをより多くの人に伝えるための工夫も重要になります。近頃ではオンライン将棋ゲームを利用して指導することもあるようです。
このように、将棋普及指導員は、将棋を愛し、その魅力を多くの人に伝えたいという強い熱意を持った方にとって、非常にやりがいのある職業かもしれません。